経営者の視点へ ~すべては、お客様との対話からはじまる~
この度、「ベンダ内ITコーディネータ」の皆様にお話しをお伺いする機会を頂きましたので、その内容についてレポートいたします。今回は、幅広いIT関連事業を手掛ける 都築電気株式会社 ソリューション営業の皆様へのインタビューになります。
インタビューにご対応頂きました4名の皆様は、都築電気株式会社 大阪支店にてソリューション営業統括部に在籍し、主として近畿地区のお客様に向けた自社サービス提案活動などの業務を担当されていらっしゃいます。皆様は、つい最近、ITコーディネータ資格を取得されたばかりです。ケース研修で学んだITコーディネータスキルを活用した実務への取り組み、また、営業の立場からIT経営に関する考え方やご自身の思いについて、お話し頂きました。
<インタビューにご対応を頂いた 都築電気株式会社 ITコーディネータの皆様>

後列 左より 新野 浩平 氏、大山 雄平 氏
Q:本日は、お話をお伺いする機会を頂き、誠にありがとうございます。まず、ご自身が、ITコーディネータ資格を取得して「良かった」ことについて、お話を頂ければ幸いです。(ITCケース研修事務局)

『まず、ケース研修を通じて、経営戦略に基づいたIT利活用について学べたことが大変良かったと思っています。』 (大河氏)
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『ケース研修で学んだフレームワークやプロセス、ITコーディネータとしての考え方は、自分自身の営業活動を改めて見直しすることができ、大変良い機会だったと思います。』 (金井氏)

『私は、日々の営業活動においては、中堅中小企業の経営者の方々と、直接お話しさせて頂く機会が多いです。ITコーディネータ資格取得以来、経営者の方々へIT導入と経営者視点での考え方を結び付けて、お話しできるようになり、提案に説得力が出せるようになったことが一番良かったと感じています。』 (新野氏)

『私の場合は、まだ営業4年目ということもあり、お客様への提案においては上司との同行が多く、上司が提案することが多いことが現状です。ただ、自分自身がITコーディネータ資格保有者ということで、例えば名刺交換させて頂いた際に、ただの若手営業マンとして見られるのではなく、ベースが分かっている人物として見て頂けるようになった気がしています。ちょっとしたことですが、それまでと違い、お客様から意見を求められることも多くなり、うれしく思っています。』 (大山氏)
『大山様は、ITコーディネータと名刺に記載している効果があるのですね!皆様は如何でしょうか?』(ケース研修事務局)
『ITコーディネータを知っていらっしゃるお客様ですと、お会いした際の反応が違いますね!初めてご挨拶した際に「お、すごいですね!」といったお言葉を頂くことが、多くなった気がします(笑)。
また、最近では、中小企業の経営者の方々とお話しすると、IT導入補助金施策に取り組んでいらっしゃる企業も多く、その支援人材としてのITコーディネータの認知もあり、信頼を得るためにも役立っています。』(大河氏)
お客様の経営課題に寄り添う
Q:ITコーディネータ資格を取得した動機、きっかけについてお聞かせください。(ITCケース研修事務局)
『当社での中堅中小企業様向け事業においては、基幹システムに関するIT導入が非常に大きなウェイトを占めます。
お客様の基幹システムでのIT導入を行うためには、当然、業務のことやより上流での提案が必要になります。ITコーディネータ資格を取得する前までは、お客様の真の課題解決につながる提案が如何にしてできるのか、自身も営業活動に悩む面もありまして、その折、上司からITコーディネータ資格の紹介を受けたのがきっかけです。
調べていくうちに、ITコーディネータ資格は、IT導入の前段階となるコンサルフェーズにおいて重要となる要素があるとわかり、資格取得にチャレンジすることにしました。』(大河氏)
『私の場合シンプルでして、営業活動において、より上流から提案できるようになりたい、という思いが強かったことです。そのきっかけとして、ITコーディネータ資格取得は、今後の自分の活動を変える良い機会だと感じました。』(金井氏)
『私も、大河さんと同じく、中堅中小企業の経営者の方々とお話しする機会が多いのですが、経営者の方へITに関する細かいことを説明しても、なかなかご理解を頂くのが難しいことがままあります。これを打破するためには、ITと経営を紐づけ、経営者の方にもご理解いただける提案が今後肝になると考え、日々模索していました。
その過程で、ITコーディネータ資格に興味をもったことが初めのきっかけです。また、自分自身、営業という立場で、今後、お客様のニーズ分析など要件定義を行う役割を担う必要性を感じたことも資格取得動機のひとつです。』(新野氏)
『私の場合は、正直、上司に勧められたから、ということが主な動機です。自分自身、営業経験も少なく、ITやお客様の業務知識もまだ、これからもっと身につけていかなければいけない状態です。
上司の勧めで、資格取得に向けた活動に取り組みました。ちなみに、ITコーディネータ資格取得は、大変難しい印象があったのですが、ケース研修で学んでいく過程で、それまで、あいまいであった知識や考え方が、徐々に整理され、明確になっていくことを強く実感できました。このことが、その後のITコーディネータ資格試験へ向けた大きなモチベーションとなりました。』(大山氏)
『個人的には、ケース研修で具体的なケーススタディを通じて、実践的に学べたということが大きな収穫でしたね。ただ、実践的な内容とともに、その裏付けとなる知識を体系的に学ぶ必要性があると思いますが、資格取得までには、それらもしっかりと学ぶことができました。』(金井氏)
『私たちのような営業担当に限らずサービス提供側は、得てして、提供者目線で物事を考えがちになってしまいます。ただ、お客様である経営者の方は、当然自社の経営視点でIT導入を考えているわけで、その時点で、そもそものギャップが生じてしまいます。
ITコーディネータ資格取得は、我々ITソリューションを提供する側にとって、経営者の視点でIT導入や利活用を捉える重要性について、改めて認識する良い機会であったと思います。』(大河氏)
『そうですね。皆様のお話をお伺いしていて、IT導入を提供する側にとっても、まず大切なことは経営者の立場に立って「経営者の話を聴く」ということがとても大切なことだと思います。』(ITCケース研修事務局)

『ケース研修では、他社同業の方も多く、ご一緒に学ぶことで参考となりましたが、中には次期経営者候補の方もいらっしゃって、その方の考え方などを聴くことは大変刺激にもなり、貴重な経験になりました。』(金井氏)
営業として次のステージへ:上流工程に踏み込む
Q:ITコーディネータとして今後のお仕事に役立てたいこと、貴社内で取り組んでみたいことがあれば、お聞かせください。(ITCケース研修事務局)
『我々が現在、取り組んでいることが、5年後、10年後といった先でも、そのまま通用することはないと思っています。その時代に応じたビジネスモデルを創造し、組織、個人も常に変化していくことが必要だと思っており、そのためにITコーディネータとして学んだことを活かして、活動を続けていきたいと考えています。
具体的にはまだ模索中なのですが、それぞれのビジネスシーンで互いにアイデアや議論を出し合いながら、アクティビティに落としていければと考えております。』(大河氏)
『私もまだ漠然としているのですが、せっかくITコーディネータ資格を取得したわけですから、まずお客様と共に話し合い、お客様と共に価値あるものを一緒に作っていきたいと考えています。』(金井氏)
『正直なところ、ITコーディネータ資格を取得して間もないため、まだこれからです。ただ、今まではシステムの導入フェーズからでしたが、今後は上流工程まで踏み込んだ、活動をしていきたいと思います。IT導入に関するシステム上のコンサルテーションはもちろんあるのですが、「経営」視点での上流工程の支援サービスにまで広げて、取り組んでいきたいと考えております。』(新野氏)
ITコーディネータ資格取得検討中の方へのメッセージ
Q:有難うございます。最後にITコーディネータ資格取得を検討している方へメッセージをお願いします。(ITCケース研修事務局)

『もし、ITコーディネータに興味関心があるのであれば、まずは資格取得にチャレンジしてみることをお勧めします。実際に資格取得をした後に、感じること、気づくことが必ずあり、それは自分自身にとって大きな価値になるはずです。まずは、新しい自分を見つけるために、その第一歩を踏み出すことが大切だと思います。』 (大河氏)

『ITコーディネータ資格取得することにより、今よりもっと、お客様のことを考えられるようになると思います!また、実際に私自身も、今までなかった新しい視点や考え方が広がりました。ぜひ、ご検討中の方にはチャレンジして頂きたいですね。』(金井氏)

『私と同じように、IT導入と経営との関連付けに悩んでいる方がいらっしゃれば、ITコーディネータ資格取得のための学びは、大変有効だと思います。私自身も、これからの活動にはなりますが、現場において実際に上流工程から担当して、事後の効果測定まで、一貫してしっかりと「責任」をもって取り組んでいくことが、今後大切になると思います。そういった志を持った仲間が増えていくことを期待しています。』 (新野氏)

『私自身は、ITコーディネータ資格取得をきっかけに、まずお客様の目線で、お客様とお話しができるようになりました。このことは、営業としても基本的なことですが、もっとも大切なことだと思います。ぜひ、皆様にもチャレンジして頂きたいと思います。』(大山氏)
本日は、ご多忙中、貴重なお話しを頂き、まことに有難うございます。ぜひ、今後の益々のご活躍を心より期待しております。(ITCケース研修事務局)
<取材後記>
今回、インタビューさせて頂きました都築電気株式会社様 ITコーディネータの皆様は、それぞれ、営業という職務を考え、自らの抱える業務課題に対して真摯に向き合い、日々取り組んでいらっしゃる姿が印象的でした。また、自社のサービスがお客様にとってどのような価値を持つのか、常にお客様の立場で考え提案していく姿勢が大切であることを改めて認識することができました。
皆様は、全員ITコーディネータ資格を取得したばかりの方々ですが、資格取得を通じ、学んだことを現場で、ひとつひとつ実践していこうとする意欲を強くお持ちです。小さなことでも、ひとつひとつの積み重ねが、大切だと感じます。これから益々のご活躍を期待しております。
ITコーディネータ資格は、比較的ITエンジニアの方々が取得されるケースが多いのですが、今回取材させて頂いた皆様のように、営業職の方にも、ぜひ、チャレンジして頂きたい資格です。
なお、今回の取材では、インタビュー以外にも、ITコーディネータ協会に対する各種要望等、貴重なご意見もお聞かせ頂くことができました。これからも、ITコーディネータの皆様の生の声を傾聴し、全国のITコーディネータの方が、更にご活躍できる仕組み、基盤づくりに努めてまいります。
引き続き、よろしくお願いいたします。
ITCケース研修事務局
<取材先>

都築電気株式会社
外資系、日本の情報通意企業の役員を歴任。同時に、公的機関各種委員、大学院講師、最高裁判所専門員、調停委員を務める。ITC制度発足当時から現在まで、約500名のITCを育成。
1932年創業。ネットワークシステムおよび情報システムの設計、開発、施工、保守、電子デバイス、情報機器の販売、受託設計開発等、幅広いIT関連事業を展開。
<今回インタビューにご協力頂いたITコーディネータの方>

大河 大(おおかわ だい)氏
都築電気株式会社
ソリューション営業統括部
第二営業部 第二営業課
2018年ITコーディネータ資格取得

金井 俊明(かない としあき)氏
都築電気株式会社
ソリューション営業統括部
第二営業部 第二営業課
2018年ITコーディネータ資格取得

新野 浩平(にいの こうへい)氏
都築電気株式会社
ソリューション営業統括部
第二営業部 第一営業課
2018年ITコーディネータ資格取得

大山 雄平(おおやま ゆうへい)氏
都築電気株式会社
ソリューション営業統括部
第二営業部 第二営業課
2018年ITコーディネータ資格取得